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行政はまたも黙殺 今もつづく「杉並病」

☆解決のために活動を再出発

昨年6月、国の公害等調整委員会は、「杉並病」の原因は杉並区の不燃ごみ圧縮中継所「杉並中継所」(井草4-15-18)から出る化学物質であるとする裁定を下し、「杉並中継所」は原因施設であると公式に認められました。それでは、杉並病は解決したのでしょうか。残念ながら、解決するどころか、中継所を運営する杉並区は「杉並病」などなかったもののような態度をとり「杉並病」の被害を葬り去ろうとしています。

公調委審理の終了とともに、公調委の申請人(一般の裁判でいう原告)グループ「杉並病をなくす会」は活動を休止しました。しかし、「杉並病」を解決するには、住民運動を中心としたいっそうの努力が欠かせないと考えた被害者と地域住民は、新たに昨年11月に「杉並病をなくす市民連絡会」をつくり、住民自身の力で行政を動かし、「杉並病」を解決するための再出発をしたのです。この会の活動を紹介し、杉並病の現在をお伝えしたいと思います。

☆常設写真展、そして小冊子

会ではまず何よりも、「杉並病は終わっていない」ということを多くの人に知ってほしいと考え、さまざまな広報活動をしています。中でも会員の齊藤恵子さんは、自分の体調の悪化もかえりみず中継所の写真を撮り続け、自宅を開放して「夢のユートピア展」と名付けた常設写真展を始めました。

ある区議さんは「初めて知った。こんな問題が放置されているなんて」とさっそく自分のホームページで特集を組んでくれました。また、ある方は、被害の恐ろしさに写真を見ながら震えておられたとか。そして、写真を見に来た地域の人が恐ろしくなって引っ越してしまったというエピソードまであるのです。

同じく会員で、健康を取り戻すために転居を余儀なくされた伊田美代子さんは『今も続く杉並病―大気の汚染は恐ろしい―』という小冊子を手作りし、「杉並病」の恐ろしい実態をわかりやすく説明しています。会には「杉並病のことを話してほしい」「展示をしてほしい」という依頼もくるようになってきました。

☆健康被害、新たに発生

さらに、私たち市民の手で、地域の被害の実情を調べようと、この10月には「健康調査アンケート」も実施しました。このアンケート調査には、予想外の反響がありました。

冒頭に述べた公調委の裁定では「杉並中継所」を原因施設と認めたものの、被害の認定を中継所稼働から5カ月間に限りました。中継所を設置した東京都の「施設は改善され、現在は問題ない」との立場を一部認めたものです。

しかしながら、私たちのアンケートではこの2、3年の間にも、健康被害が新たに発生していることが明らかになりました。新たに転入して来た人で、しっしんや皮膚のかゆみ、のどの痛み、せきなどの症状が井草に来たら始まった、という人は後を絶ちません。

「杉並病」の原因はいまだにつきとめられていませんが、不燃ごみから出る種々雑多な化学物質であることは想像に難くありません。

先日爆発事故が起きたRDFプラントの例もありますが、数千万種類の化学物質が狭い国土に氾濫している日本で、廃棄物の管理、とりわけ化学物質汚染の問題は今後大きな問題になっていくと思われます。「杉並病」はその警鐘となるに違いないと私たちは思っています。

紙面の関係で、ここでは被害の詳細について述べることはできませんが、ぜひ多くの皆さんが「杉並病」という前代未聞の公害に関心を持って下さればと思います。国民連合・東京の会員の皆さん、ぜひ一度写真展においでください。        

☆ 「杉並病をなくす市民連絡会」の連絡先は03-3396-6784高野方。

齊藤恵子「夢のユートピア写真展」水曜日を除く毎日参観可能。事前に予約が必要です。
03-3397-0496齊藤さんまで。

伊田美代子著『今も続く杉並病-大気の汚染は恐ろしい-』定価300円+送料でお分けしています。

申し込みは03-5991-8276伊田さんまで。

この記事は、広範な国民連合、機関誌「日本の進路・東京版」に国民連合・東京世話人、杉並病をなくす市民連絡会会員である松尾ゆりが投稿したものです。