杉並区の決算特別委員会は議員48名全員が参加する委員会です。ひとり片道5分(往復12分)×4ブロック=20分の質問時間があります。大勢の会派は、この持ち時間を融通しあって、1テーマにつき長く質問したり、逆に全然質問しないということができますが、一人会派の松尾ゆりは、毎回必ず質問、しかも5分以内という、なかなか厳しい闘いを強いられます(鍛錬されるという前向きな見方もできます)。
このページでは、2007年度の決算について質問した11の項目について紹介します。
最終日に行った松尾ゆりの発言(意見開陳)は、こちらをご覧下さい。
決算質問項目
1.「スマートすぎなみ計画」 ≫
2.モニタリングシステム ≫
3.議会の陳情・請願について ≫
4.パート職員の待遇について ≫
5.すぎなみ地域大学について ≫
6.介護保険について ≫
7.高齢者施設について ≫
8.認知症高齢者家族やすらぎ支援について≫
9.中学生レスキュー隊 ≫
10.学校IT ≫
11.学校図書館 ≫
1.「スマートすぎなみ計画」について
杉並区は平成22年までに職員1000人削減という無謀かつ無慈悲な目標をたて、すでに800人近く削っています(でも師範館から20人採用してしまった)。しかし、一方民間委託や、常勤が減った分を非常勤で埋めているので、数字がわかる範囲の平成17年4月から今年4月の3年間の比較で、
常勤マイナス300人
非常勤マイナス58人
民間委託プラス808人
差し引きでは、450人の増となっています。この3年だけみても、削減した300人の常勤に対し2.5倍の低賃金・不安定雇用労働者を増やしたわけです。多分財政状態の悪い地方では、もっとひどいのでしょうが、しかし、お金に余裕のある23区でこれは許せません。
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2.モニタリングシステムについて
指定管理者制度や民間委託などに適用されるモニタリング制度に「労働モニタリング」を盛り込むよう求めました。「労働モニタリング」は、委託事業の履行確認などとともに、働いている人たちの労働条件、環境に対して自治体が責任をもつためのひとつの手段です。
千代田区では、全指定管理者に対して労働モニタリングを行い、労働契約や労働時間などをチェックしています。現場調査や従業員への面接も盛り込んでいます。自治体として、最低限この程度はやってほしいものですが、杉並区は、この間(今日もですが)ずっと「委託先の企業が法を守って適切にやっているものと考えている」の一点張りで、労働条件を守ろうという姿勢がありません。
労働条件を守れというのは、働く人の問題でもありますが、住民にとってはサービスの質をどう担保するかという点からも重要な問題なのです。
時間がなくてあまり触れられなかったのですが、「行政評価速報版」というのが出ています。(職員にアンケートしたもの)
「コスト削減の余地があるか」に対しては65.5%が「ない」。また「現在の事業費で成果を向上させることができるか」は「できない」が35%。どちらも2004年以来最高。もう行革は限界を超えているのです。
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3.議会の陳情・請願について
議会に提出する陳情・請願があまりにも軽々とムシされるので、いったいどれだけムシされているのかを確かめてみました。提出件数に対し審議されることのなかった陳情・請願は
1999~2003年
提出された陳情261件(うち未審議159)審議率40%
請願41件(うち未審議14)審議率64%
2003~2007年
提出された陳情187件(うち未審議157)審議率16%!!
請願30件(うち未審議20)審議率33%!!
なんと、前期は「陳情」の8割以上が全く審議されず、議員の紹介のある「請願」ですら3分の2が審議されなかったのです。あんまりでしょう!
議会に対する質問はしにくいので、改善を求めますとだけ言って終わりましたが、本当は幹事長会派、各委員会委員長に猛省を促したいところです。こんなのありえません。議員は報酬を返上するべきです。(だれか監査請求かけてほしいです)
陳情・請願は基本的人権に属することだということを、今回学びました(遅い)。憲法に請願権って書いてあるんですよね。「請願法」っていう法律もあるんです。杉並区議会はそれを踏みにじっているっていうことです。
陳情・請願がなぜ自動的に審議されないのか。逆に、今議会で審議できないときには、議会のほうから、「こういう理由で、いついつ必ず審議しますから。今回はごめんなさい」っていう手紙でも出すべきですよね。
私だって、かつて何度も区議会に陳情・請願を出しましたが、昔はちゃんと審議されていたと思います。特別に議員に頼んだりしなくても、しばらくたつと電話がかかってきて「何月何日に審議されますが、補足説明を希望しますか?」と事務局が確認してきたものです。杉並区議会だって十数年前まではちゃんと審議してたんです。いつからこうなってしまったのか・・・。
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4.パート職員の待遇について
今年から杉並区のパートは1年契約を更新して6年まで働けることになりました(去年までは3年でおわり)。あるパートさんがちょうど3年終わるところで4年目の更新を希望したのですが、できませんでした。その方は保育園に勤めていたのですが、仕事はしっかりやっているし、子どもや保護者からもとても信頼のあついパートさんだったと証言もきいています。当然更新されるとまわりみんなが思っていたのです。
ところが、上司が更新に否定的意見を書いて区役所に上げたので、更新することができませんでした。彼女は納得がいかず、保育課に理由をきいたところ、いいがかりのような理由だったのです。要するに上司から嫌われたということだったようです。
このような個人的な判断で雇用が打ち切られるようなことはよくないので、上司の主観をまじえず6年まで自動更新するように求めました。(区はもちろんウンとはいいません)そのほか、パートの方々が求めている、「わずかでもいいから一時金というものがほしい」「時間外(休日出勤など)の手当がほしい」ということも求めました。
昨日の報告に書いたように、いま、区は常勤をあまりにも減らしてしまったので、おおぜいの非常勤と民間委託で業務をまわしています。そしてあろうことか「非常勤職員の有効活用」なんて言って、待遇の悪い人たちに責任を負わせようともくろんでいるようです。さすがに、待遇改善せずに責任だけ負わせることはできないのか、非常勤の改善を求める与野党の発言には「改善します」とは答えています。
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5.すぎなみ地域大学について
こんなことをしゃべっていたら、瞬く間に5分はすぎ…。あと20秒ぐらいで質問しました。
地域大学は福祉人材を育てているというが、現場のニーズなどとうまくマッチしていないのではないか。若い人が仕事として本格的に働けるような講座をやってほしい。これは福祉事業所がみんな望んでいることです。
本当は、このほかにも、住基ネットのことも、2000万円のガンダムのことも、すごくすごく質問したかった!けど5分しかないからね…
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6.介護保険について
訪問介護の給付がすごく減っていること
2004年度92,264件5,029,183,466円
2005年度96,078件4,833,068,188円
2006年度86,979件4,290,486,991円
2007年度81,845件3,858,457,569円
04年がピークですが、このときと比べて昨年度は12億円減っています。06年に制度が改悪されたのですが、給付の「適正化」は07年からすでに始められているので減っています。その07年とくらべても昨年は10億円減っています。利用件数でも15000件減っているのです。高齢者はどんどん増えているのですから(年2%ぐらい増えている)、この減り方はすさまじいのです。
06年の制度変更のあと、いろんなところでいろんな人が「適正化が厳しすぎる」と言ってきたが、やはりそうだった。「不適正な給付」と指摘されると、事業者はその分の報酬を返納しなくてはなりません。そのため、ケアマネは事業所に損害をかけることを恐れて自己規制し、サービスを出すことに消極的になり、利用者はサービスを希望しても受けられないということになっています。
杉並区ではこの返納が1年間で1億円にのぼりました。東京都全体で14億です。杉並区はやはりほかとくらべて厳しいのではないでしょうか。
区は「元気高齢者」とか介護予防の施策ばかり強調するが、現にいま困っている人こそ、区の施策の重点であるべきです。
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7.高齢者施設について
食費、燃料費が高騰しています。区の福祉事業所、施設にも大きな影響が出ています。先日浴風会にうかがったとき、職員の方が食材費が上がって大変と言っていました。あの大規模な浴風会でもそうだから、小規模なところはもっと大変。
ふれあいの家は、送迎バスが欠かせないが、ガソリン代が上がって、とても大変です。
このままだと利用者に値上げ分を転嫁せざるをえない。その際、負担できない人は、利用抑制につながる。
江東区では、60床以下の小規模特養を対象に今年度1500万円(1所あたり500万円)の助成をつけている。とりあえず今年限りだが、おもに食費の高騰に対応するものです。当区でも緊急対策として、同様の助成ができないだろうかと質問しました。
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8.認知症高齢者家族やすらぎ支援について
この制度は、認知症の高齢者を介護している家族のために、話し相手や家族の短時間外出の際の見守りなどをするものです。週4時間、年間96時間までの範囲であれば、1時間500円(保険料第1~3段階の人は無料。他の自治体では所得に関係なく無料とか100円、200円など)
介護保険の訪問介護サービスを受けられなくなり、このサービスの利用希望者が増えているが、96時間をオーバーすると全額自費(1100円)となり負担が大きい。区の補助金額、時間数を増やせないでしょうか。
「安らぎ支援」は杉並では「NPO法人新しいホームをつくる会」がやっています。NPOの方にきいたところ、料金の中に事務費も一部含まれてはいるが、とても足りないとのこと。
また、いま「すぎなみ地域大学」で「やすらぎ支援員」の講座をやっていますが、地域大学を修了した人が来てくれるものの、人数は少ない(現在残っている人は数名)。利用者とうまく日程が合わないなどの問題があるようですが、NPOの代表の方が一日3件もこなさなければならないというように、人手も足りないそうです。
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9.中学生レスキュー隊について
夏の合宿では、まるでレンジャー部隊みたいなロープを昇ったり手足でわたったりする訓練、また、去年、海上保安庁の見学も行われている。ここでは「不審船撃退」についての説明もあったそうです。これって防災じゃなくて、「国防」ですよね。こんな活動がなぜ杉並区の防災に必要なのでしょうか。
中学生レスキュー隊懇談会には、元陸上自衛官の方が入っています。また、都立高校の「奉仕」授業の立ち上げに関わった方も入っています。反対に、子どもの身体に関わることなのに、PTAの代表は入っていない。どういう人選でしょう。教育委員会(もしくは区長)の意図がすけてみえます。
レスキュー隊に対する中学校の校長先生たちの評価は、アンケートをみると「訓練がショー的になっている」「危険な活動になるならやらせられない」「学校が主体でやることではない」など内容や運営を疑問視する声が多いのです。
平成22年度には全校にレスキュー隊をつくるというが、非常にムリがある。事業自体を全面的に見直すべきです。
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10.学校ITについて
今年度から区小中学校の全教員に「校務パソコン」が配られました。ある学校では「指導要録、通知票、週案簿など、すべてをこのパソコンで管理する」と校長が言っている。セキュリティについてはどのように考えているのでしょう。
1クラスの情報の入ったメモリーを紛失しても大問題になっていますが、この校務システムには、ケタ違いにたくさんの個人情報、しかも指導要録、通知票まで入っているわけだから、子どもの成績、家庭状況、人格まですべてが丸裸になるということです。
これらをネットワークして一元管理しなくてはならない理由が全くわかりません。これまでの書類管理で何がいけないのか。個人情報を危険にさらすやりかたはやめていただきたいと思います。
区は「セキュリティのためメモリーの持ち運びをなくす」という趣旨の答弁をしていましたが、むしろ目的は、教員の授業計画や子どもの成績などの一元管理にあるのではないでしょうか。
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11.学校図書館について
他の委員からも質問があったので、私は個人情報という角度から聞きました。
現在、学校に多くの図書ボランティアが入り、保護者が貸し出し作業に関わっています。市民団体による図書ボランティアに対するアンケートでは「貸し出しを保護者がやるのは児童の個人情報の面で問題」と書かれています。当然のことです。
また、土曜日学校などで保護者ボランティアが子どものドリルなどのマルつけをしている実態があります。そのためか、多くの学校支援本部では規約に「守秘義務」を課していますが、ボランティアに「守秘義務」というのは荷が重すぎないでしょうか。
図書の話に戻って、学校図書館の管理は子どもの個人情報にわたる仕事であり、ボランティア任せではなく、責任を負うことのできる、身分も保障された常勤の専任司書をおくべきであるということを主張しました。
