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「杉並区基本構想」に意見書を提出
杉並わくわく会議は、杉並区基本構想審議会に提出された「基本構想の『たたき台』」への意見書を提出しました。その全部を紹介します。

杉並区基本構想審議会 各位

2011年10月19日 杉並わくわく会議
代表・松尾ゆり(前杉並区議会議員)

基本構想(たたき台)に対する意見

 先日開催された「杉並区基本構想審議会」に提出された「たたき台」を拝見いたしました。いずれ区民意見募集もあるとのことではありますが、この時点での私どもの意見を申し上げます。取り入れていただければ幸いです。

1.全体について

●基本構想は行政の指針となるべきものであり、区民の行動規範ではありません。ところが、「たたき 台」では区民間の「ささえあい」「協働」など共助の概念が多用され、そのことにより行政の責任範 囲が曖昧にされています。あくまでも「行政が10年間に何をするのか」が明確にされるべきです。

●将来像のスローガンに理想が感じられません。「福祉」や「文化」の充実は目指さなくてよいのでし ょうか。これらの語を書き込む必要があります。(例:88年基本構想「緑ゆたかな福祉と文化のまち」)

●「はじめに」以下、「まちづくり」を中心とした構想になっており、再開発が優先されて静穏に住む 権利や福祉が軽んじられる危惧があります。

●理念をかかげるはずの基本構想で、なぜか「荻窪周辺まちづくり」だけ事業が具体的に書かれている ことは突出しており異様です。「都市機能の強化」「杉並の顔づくり」は区民的な合意にはなっていま せん。基本構想にかかげることは不適切です。杉並をどのようなまちにするかは、基本構想制定後「ま ちづくり基本方針」の区民的議論にゆだねるべきです。

2.福祉について

<提案>

(1)杉並区の将来像に「福祉」の言葉を入れる。(上記1.参照)
(2)「10年後の姿」に「福祉の基盤整備」をくわえる。
(3)5つの目標の中で、福祉の項目の順位を上げる。(例:「21世紀ビジョン」では2番目)
(4)目標4を変更する。(例:「福祉と健康をささえるまち」など)
(5)「基本的な方向」「重点的取り組み」の「孤立防止」に「行政による実態把握」を加える
(6)目標4の項では、貧困問題、母子福祉、児童福祉がぬけ落ちているので加筆する。

<理由>

●行政の最も重要な仕事は、「健康で文化的な最低限度の生活」の保障です。かつて杉並区は「福祉の まち」と言われました。新基本計画の中でも「福祉」を重視し、区の最も大きな仕事として明確に位 置づけるべきです。
●「はじめに」「抱える課題」には「少子化・高齢化が進む」ことが指摘されていますが、そのことに よる課題が書かれていません。高齢者福祉をはじめ、福祉の充実を目標として明確にすべきです。
●随所に「ささえあい」「地域」と書かれ、福祉の担い手が区民であるかのように描かれますが、審議 会でも意見が出されたように「行政の責任」と「区民の役割」(区民にできること)とは区別する必 要があります。また、行政の役割として特に基盤整備と実態把握(お達者訪問など)を重視します。
●リーマンショック以降の経済状況において、杉並区でも貧困の問題が深刻になっていますが、一言も 触れられていないのは問題です。また、母子福祉、児童福祉についても福祉事業としてきちんと書か れるべきです。

3.社会教育について

<提案>

(1)目標5の後半、社会教育について詳しく記述する。
(2)「基本的な方向」の(4)を「生涯学習・社会教育の充実」などとする。(社会教育の語を入れる)
(3)「基本的な方向」ほか各パートに、図書館の充実を明記する。
(4)男女共同参画、平和、多文化共生等の項目をいっしょくたにせず、各分野についての区の姿勢を丁寧 かつ明確に整理しなおす。
(5)消費者行政について抜けているので、加筆する。

<理由>

●目標5の項目は、ほとんどが学校教育について述べる一方、社会教育についての言及がわずかしかな く、均衡を欠いています。
●自治体における社会教育は、自ら学び自ら行動する住民自治の根幹です。しかし「目標5」には単な る教養講座以上のものが表現されていません。
●「知の循環型社会」について子どもの教育の視点からのみ書かれており、社会教育・大人の学びが抜 け落ちています。大人の学び=生涯学習・社会教育なしに循環は成立しません。同時に、知的インフ ラとしての図書館の充実を明記することが必要です。
(中教審答申では「知の循環型社会」構築のため、生涯学習振興・社会教育の必要性・重要性が強調さ れ、また、学校だけでなく図書館などの社会教育機関の活用が必要と指摘されています。)
●杉並区は、区民と行政が協力しあう自発的な学びの場から、多くの先進的な活動、政策を産み出して きました。高齢者福祉、文庫・図書館活動、消費者運動、環境問題への取り組みなどは一例です。こ うした住民自治の活動こそ杉並区の財産であり、今後も行政の協力・支援が必要です。
以上