松尾ゆり

わくわくレポート133号 2010年9月

「地方主権改革」「普天間基地と日米関係」
第8回全国地方議員交流会に参加しました

 名古屋では河村市長の提唱による「市議会リコール」が始まり、阿久根市では市長リコールが。地方議会と首長の対立が目につく昨今、全国地方議員交流会、今年は横浜で開催されました。自民党から共産党、そして無所属の議員まで、超党派の地方議員が毎年実行委員会をつくり自主的に運営してきました。

 今年の大きなテーマは「地方主権改革と地方議会改革」「普天間基地から日米関係を考える」の2つ。

 「地方主権改革」では、三重県議会議長・三谷哲央さんが講演しました。「橋下知事、河村・名古屋市長、竹原・阿久根市長らに通底するのは、議会は邪魔、抵抗勢力、という考え方だ。橋下知事や河村市長は議会に手をつっこみ、自分を支持する地域政党を作っているが、これに参加することは議会の自殺行為。翼賛議会につながっていく危険性がある。地方議会が首長の追認機関どころか補完勢力になってしまうおそれがある」という趣旨の批判を展開されました。

 民主党政権になって「地方主権改革は一丁目一番地」といわれますが、「政府の地方主権戦略会議のメンバーは政府のお気に入りの首長ばかりで議会の代表がいない」とも指摘。

 橋本知事、河村市長、竹原市長のような極端なやり方が市民の一定の支持を得てしまうことに対し、三谷議長は「議会に対する抜きがたい不信感がある」と指摘しました。経済危機で住民の生活が厳しくなる一方なのに、なんら対策もうてず手をこまぬいている政治と行政に対する住民の怒りが根底にあります。議会はそれに気づき、住民とともに生活を守る運動をしていかなくてはいけないのですが、多くの議員にはそれができていない現状もあることを日々痛感しています。

 このあと、渦中の名古屋市議会からも特別報告がありました。

 「普天間問題から考える日米関係」では、沖縄県議会副議長・玉城義和さんが講演。普天間基地移設先に擬せられる名護市選出の議員である玉城さんは「9月には名護市議会選挙がある。国の問題なのに、この小さなまちの民意が、幾度となく問われ、責任を負わされているというのはどういうことか」と怒りを込めて述べました。また「日米安保、日米関係をどうするかを、全国の人たちが考えていかなくてはならない。日米安保問題というと左翼の専売特許のようだったが、それはちがう。右翼の人たち、保守の人たちこそ、日米関係をどう考えるのか、おおいに意見交換すべき」とも。同感です。


「区立子供園」これ以上の拡大はやめて

 区立幼稚園を「幼保一元」施設(幼稚園と保育園の両方を兼ねた施設)に転換した「子供園」。様々な問題が浮上していますが、9月議会では新たに2園を幼稚園から子供園に転換する議案が提出されます。

 ちょうど1年前の昨年8月に突然「幼稚園をやめて子供園にします」と方針が発表されて、実施までわずか半年。保護者は右往左往、職員さんたちも必死に努力されています。拙速は否めません。

 区立幼稚園の保護者の方々と意見交換をしましたが、「区立幼稚園の希望者が多いのに、子供園になると入れなくなる。幼児の人口は増えているのに」「私立幼稚園は人気のあるところに集中して、入りたくても入れない状況」「これまでの区立幼稚園の教育がとてもいい。変えないでほしい」などの声は子供園が発足したあとも強まるばかりです。

 山田前区長時代の「負の遺産」ともいうべき子供園事業。区長交代を機にストップして見直すべきです。