わくわくレポート134号 2010年10月
田中区長の所信表明に対して質問
9月議会では田中良新区長が就任にあたっての所信を述べました。これに対し松尾ゆりは「杉並わくわく会議」が区長選にあたって発表した政策『わたしたちがめざす新しい杉並区政』にもとづき一般質問を行いました。
田中新区長の所信(主な政策の抜粋)
- 新しい基本構想の制定
- 「新しい公共」の理念で協働の推進
- 杉並版事業仕分けの実施
- 減税自治体構想の再検討(減税基金積立は凍結)
- 「教育憲章」制定はゼロベースから見直し
- 小中学校普通教室へのエアコン設置
- 在宅介護重視、保育・学童クラブの整備
- 区内産業調査の実施と「電子地域通貨」
- 「価値ある住宅都市杉並」の創造
<松尾ゆりの質問と答弁の要旨>
(*は松尾コメント)
○新しい「杉並区基本構想」は区民主体で
区民がつくる基本構想でなくてはならない。おおぜいの区民が討議できる仕組みを。
(答弁)可能なかぎり区民意見を聞く機会をふやす。
(*役所が作文した構想になる可能性大。心配)
○職員「1000人削減」その先は
限界を超えて職員削減、民営化を進めてきたが、今後見直すのか。
(答弁)基本構想、総合計画の策定の中で、これまでの進め方を評価、検証し、新しい行財政改革方針を定める。(*先行き不透明)
○民間委託のあり方、公契約条例
セシオン杉並の賃金不払い事件の反省から、民間委託、労働条件のあり方を改善すべき。
(答弁)民間委託先の労働条件については、4月に「労働法令遵守」の確認制度を導入した。また、契約制度のあり方を検討する庁内組織を立ち上げたので、その中で今後、課題を整理していく。
○教育改革の見直し
区長部局が教育行政に介入するしくみ「教育立区推進本部」は解散を。
(答弁)本部会は必ずしも十分機能しているとはいえない。他にもいくつか検討すべき庁内組織があり、存廃を含めて早急に検討。(*廃止へ?)
○学校希望制は廃止を
公立小中学校を相互に競争させ、現場に混乱を招いている学校希望制は廃止を。
(答弁)今後いっそう地域に根ざした教育を進めていくため、制度のあり方を含め検証。(*廃止へ?)
保育園、なんとかしなくちゃ!
今年4月、700人近くもの保育園入園待機者が出ました。入園希望者はますます増え、来年度も保育園入園は厳しい情勢が予想されます。松尾ゆりと「杉並わくわく会議」は保育園増設を求める署名活動に協力してまいります。また、入園にあたっての相談にもお応えします。
ゆり発
区長交代で、議員の変わり身
区長が交代して初めての定例区議会。さまざまな変化が見られます。なかでも減税自治体構想。田中区長が「凍結」を宣言すると、たった半年前(3月)の議会で、あれだけ熱烈に賛成演説した人たち(当時の自民、公明、民主など)が「状況は変わった」と新区長に追随。他のテーマでも「幼稚園を教育委員会から保健福祉部に所管替えしたのはおかしい」「公共施設の特殊なデザインはコストがかかる。たとえばエコスクール。今後は汎用的な部材を使うべき」「ケア24の強化を」等々…。言っていることは正しいけど、山田区長のときにはそんなこと一言も言わなかったよね!?変わり身の早さに驚きます。
それから「学校にクーラーが入ります!」と自分の手柄のように宣伝している某政党。私は議員になって以来この党の人がクーラー導入を山田区長に要求した場面は見たことがありません。
区長が変わった途端の手の平返し。自民党会派の「区長がかわったら、山田前区長を悪く言うのはおかしい」という発言の方がまっとうに聞こえます。ホントに山田さんに聞かせてあげたい発言の数々…。区長の政策は二の次、誰が区長になっても、とにかくすり寄ろうとする態度は議員としての自己否定。その姿勢が議会不信、議会不要論を招いていることに気づいてほしいです。