松尾ゆり

わくわくレポート136号 2011年1月

 新しい年を迎え、皆様いかがお過ごしでしょうか。政治の世界はますます混迷を深め、「こんなに生活が厳しく、将来に希望がないのに、国会は足のひっぱりあいばかり。政治は何をやっているのか」という厳しい声をどこへ行っても伺います。

 一昨年、怒濤のような勢いで政権交代を実現した民主党でしたが、「国民の生活が第一」はどこへやら。「二大政党で政権交代を実現」しても、政治がよくならないことは、わずか1年で明らかになりました。

 一方、杉並区では昨年、山田前区長の突然の辞任により区長選が行われ「政権交代」が起きました。私たち「杉並わくわく会議」は区長選に際し、『私たちがめざす新しい杉並区政』を発表しました。新区長はこれを実現できるのか。区政を変えるのは、これからが本番です。

 今年は、杉並区議会議員選挙が予定されています。皆様とともに、「区民が主人公のまち」を実現するため奮闘して参ります。


区長は替わった。区政は、議会は変わるのか
~第4回定例会から~

 新区長になって2度目の定例議会。前区長と正反対の提案もあるのに、おかまいなしですべての区長提案に賛成する議会多数派(自民、公明、民主等)の姿…。議員の仕事は、区長が誰になろうとヨイショして予算をもらうことなのか?? 「こんな議会ならいらない」という区民の批判にこれでは反論できません。

●多選自粛条例の廃止 ~制定に賛成したのに廃止にも賛成??~

 正式には「区長の在任期間に関する条例」。「区長は3期まで。以降の選挙への出馬は自粛する」ことを定めたものです。田中区長は「憲法上保障されている参政権を1自治体の条例で規制するもの」と廃止を提案しました。

 松尾ゆりは「区長の見解を全面的に支持して廃止に賛成」の意見を述べ、「多選自粛条例は『日本最初』が大好きだった前区長のパフォーマンスに区が振り回された感が否めない」と指摘しました。

 制定時に賛成した会派(自民、公明、民主など)のほとんどが今回は180度逆の「廃止」にも賛成することは全くスジが通らない話です。意見が違うなら堂々と反対するべきであり、区長が替わるたびに、その考えに追随して態度を変えるのでは、議会はただの追認機関に成り下がってしまいます。

●精神障害者への福祉手当を求める請願を採択
~請願の採否も区長次第とは~

 2年前の保健福祉委員会でこの請願が初めて審議された当時の前区長は福祉にお金を使うことには反対、その意をくんだ議会は、多数決で「継続審議」つまり棚上げとしました(松尾ゆりは継続に反対)。

 しかし、その後区長が交代し、10月の決算委員会では田中区長が「精神障害者への福祉手当を検討する」と発言。すると、今議会では請願が採択されました。2年前にとっくに採択されているべき請願が今回やっと採択されたのです。 松尾ゆりは本会議で「当時と今とで何が変わって採択となったのか」を質しましたが「区長が替わって、区として検討を行うという見解が出された」ということ以外には説明はありませんでした。区民の要望よりも区長の意向を優先する議員たちに憤りを覚えます。


松尾ゆりの一般質問から

指定管理者制度に関連して

(1)「なぜこの事業者が選ばれたのか」

 「指定管理者制度」は、公的な施設の管理をまるごと民間事業者に任せてしまう制度です(杉並では図書館や保育園、障害者施設、スポーツ施設などが指定管理)。今議会では「座・高円寺」の指定管理者選定が審議されましたが、これまでの団体が継続するのが当然と区側は考えたのか、議会には十分な資料すら提供されず、財務状況も不明。賛否以前に判断ができない状態でなので松尾ゆりは選定に反対しました(賛成多数で可決)。公の権限を民間に委ねるのですから区は「なぜこの事業者が選ばれたのか」を区民に説明する責任がありますが、現状はこのように大変不透明です。

(2)財務、労働条件のチェックを厳しく

 一昨年、セシオン杉並等で賃金不払い事件がおきたように、委託・指定管理先の事業者の財務状況を十分把握していないとトラブルに結びつくことがあります。他区では指定管理者の財務状況、労働環境を会計士、社会保険労務士などに委託して厳しくチェックしているケースもあります。杉並区でも見習うべきです。

(3)直営だからできる質の高さ

 指定管理、民間委託よりも直営のほうがふさわしいケースもあることを指摘しました。

 杉並第九小の給食は直営ならではの質の高い食育が評価され、東京都の「健康づくり優秀校」として表彰を受けました。

 栄養士、調理師の方々は毎日給食の時間に教室をまわり子どもたちと話し合い、残ったごはんを握ってあげる「おにぎり隊」の活躍はテレビでも紹介されて有名になりました。コストよりも質を選ぶことを区は考えるべきではないでしょうか。

●師範館について

 杉並区独自の教員養成塾「師範館」は解散が決まりました。しかし、「卒塾生人材育成懇談会」やOB会をつくるとされており、今後も師範館の理事らが杉並の教育に介入するおそれがあります。

 単なる区費教員の独自採用ではなく「師範」という教育勅語時代の名称を冠した機関で教員養成が行われたことは、前区長による教育への介入であり、憲法、教育基本法違反の行為でした。ところが、教育委員会は「師範館はすばらしい成果を残した」と絶賛し、何ら反省の色がありません。前区長の政治介入を批判せず、責任もうやむやにする、このような態度では、今後の教育行政にも不信感を招きます

 新区長になって2度目の定例議会。前区長と正反対の提案もあるのに、おかまいなしですべての区長提案に賛成する議会多数派(自民、公明、民主等)の姿…。議員の仕事は、区長が誰になろうとヨイショして予算をもらうことなのか?? 「こんな議会ならいらない」という区民の批判にこれでは反論できません。

●多選自粛条例の廃止
~制定に賛成したのに廃止にも賛成??~

 正式には「区長の在任期間に関する条例」。「区長は3期まで。以降の選挙への出馬は自粛する」ことを定めたものです。田中区長は「憲法上保障されている参政権を1自治体の条例で規制するもの」と廃止を提案しました。

 松尾ゆりは「区長の見解を全面的に支持して廃止に賛成」の意見を述べ、「多選自粛条例は『日本最初』が大好きだった前区長のパフォーマンスに区が振り回された感が否めない」と指摘しました。

 制定時に賛成した会派(自民、公明、民主など)のほとんどが今回は180度逆の「廃止」にも賛成することは全くスジが通らない話です。意見が違うなら堂々と反対するべきであり、区長が替わるたびに、その考えに追随して態度を変えるのでは、議会はただの追認機関に成り下がってしまいます。

●精神障害者への福祉手当を求める請願を採択
~請願の採否も区長次第とは~

 2年前の保健福祉委員会でこの請願が初めて審議された当時の前区長は福祉にお金を使うことには反対、その意をくんだ議会は、多数決で「継続審議」つまり棚上げとしました(松尾ゆりは継続に反対)。

 しかし、その後区長が交代し、10月の決算委員会では田中区長が「精神障害者への福祉手当を検討する」と発言。すると、今議会では請願が採択されました。2年前にとっくに採択されているべき請願が今回やっと採択されたのです。

 松尾ゆりは本会議で「当時と今とで何が変わって採択となったのか」を質しましたが「区長が替わって、区として検討を行うという見解が出された」ということ以外には説明はありませんでした。区民の要望よりも区長の意向を優先する議員たちに憤りを覚えます。


保育園をもっと! 署名活動を行いました

「保育園が足りない!」「保育園をもっとたくさん!」という声を集めて区に訴えよう、と「杉並わくわく会議」と松尾ゆりは駅頭などで署名活動を行いました。お孫さんが保育園に入れないという女性、「この子が生まれて2年間申し込んでいるけど入れないんです」というお子さんづれの若いご夫婦など、皆さんの切実な声をお聞きしました。署名は区長へ提出します。


真の独立なしに中国とも毅然たる交渉はできない

~尖閣諸島事件に思う~

 昨年夏の尖閣諸島事件は日本に大きな衝撃を与えました。加えて北方領土でも問題が。対中外交、対ロシア外交で失点を重ねる菅政権に、自民党などからは「弱腰外交」との批判もあがりました。

 しかし、領土も守れないような外交の根源には、むしろ、自民党時代から続く「対米従属外交」があります。尖閣諸島事件でも日本政府はアメリカ側が「日米安保の対象」と言ったことでホッとするような情けない状態です。

 政府やマスコミは「こういうことがあるから日米同盟を強化して守ってもらわなくては」と言いますが、まさにそれこそが、隣国から「ひとりでは決断できない国」と足元を見られる理由です。まずはアメリカから独立することです。

 このように言うと「でも中国と対抗するにも、アメリカの後ろ盾がないと弱いのでは」という方も多いのです。その気持ちもわからないではありませんが、ではアメリカは日本を守ってくれるでしょうか。

 リーマンショックに象徴されるように、アメリカは経済的に衰退し、政治的にも影響力がおちています。日米安保はアメリカの国益のためのものであり、決して日本を守るためのものではないことは、日本人が一番よくわかっているのではないでしょうか。
 また、右派の人たちを中心に「核武装」や「防衛力の強化で中国と対決」という意見がありますが、これらもよく見ると「日米同盟の強化」を前提としており、「愛国者」を標榜する人たちの意見とも思えません。

 日本よりずっと小さな国々が、他国とさまざまな駆け引きをして国際社会の中で生き残りのため必死に努力しています。日本だけが大国に頼らないと生き延びられないという道理はありません。真に独立した国になり、自主外交を行わない限り、領土も守れません。それには政治の転換が必要と痛感します。