松尾ゆり

わくわくレポート143号 2011年12月

議会が沖縄海兵隊のグアム移転費用を削除

 11月末、防衛省の田中沖縄防衛局長が沖縄の普天間基地問題について、女性への性暴力に例えて語ったことから更迭されました。とんでもない発言ですが、こうした発言は実は日常的だったようです。沖縄に対する政府の傲慢さ、差別のひどさに、沖縄の怒りはますます燃えさかるばかりです。

 他方、12月12日、アメリカでは財政難から、議会が沖縄海兵隊のグアム移転費用を削除することを決めました。普天間の移転はストップします。それでも政府は年内に環境影響評価書を提出し辺野古地区埋め立ての手続きを強引に進めようとしています。

 グアム移転は米軍の事情であるにもかかわらず、その負担は米側42億ドル、日本側61億ドルと日本が膨大な負担を強いられます。辺野古移転を白紙に戻し、沖縄の基地問題を根本的に見直すよう、アメリカとの交渉をすべきですが、現政権にはそれは無理なようです。対米従属をやめ自立した外交ができる政治に変えていかなくてはなりません。

区立小学校の芝生シートから9万ベクレル

 杉並区の学校で校庭の芝生養生シートから高度の放射能汚染が発見されました。新聞やTV報道に出たのは堀之内小学校で9万ベクレル/kgの放射能が検出されました。区役所に尋ねたところ、堀之内小のシートは全部あわせると152kgあり、つまり、1350万ベクレルの放射能がシートに集まっているということです。

 さらに、堀ノ内小だけでなく、区内各校で同様のシートを使用しているので、合計では少なく見積もっても1億~2億ベクレルの放射能がたまっていると考えられます。

 報道では「区は焼却の方向」とされていましたが、「まだ検討中です」とのことでした。たまたま地面に落ちないでシートに集まった放射能ごみですが、区は、安易に焼却して空気中や水中に飛散する危険を冒すのでなく、「放射性廃棄物」として処理するよう東京電力と国に要請すべきです。

松尾ゆり

消費税増税は何のためか

 TPPの次は消費税、といわんばかりに、「社会保障と税の一体改革」がさかんに報道されています。民主党の改革案がまとまりましたが、年金では「もらいすぎの修正」、支給年齢引き上げ、高所得者の保険料引き上げ、受給に必要な納入期間の短縮、医療では窓口負担の定額上乗せ、高齢者の窓口負担引き上げ、パートの社会保険加入、などいろいろな案が出ては消え、結局何が変わるのかいまだによくわからない状態です。

 誰がみても、社会保障の充実を考え抜いたとは言い難く、「増税ありき」のどたばたにしか見えません。それでいて、消費税の引き上げだけは既定方針のように進められていきます。

 消費税導入のときから、「福祉のために」という名目が掲げられてきましたが、いったい導入以来、福祉がよくなってきたでしょうか。むしろ、経済格差が拡大し、福祉の必要な人に福祉が届かないという状況がますますひどくなってきています。

 消費税そのものも多くの欠陥を抱えています。まず、逆進性があげられます。所得の低い人ほど、所得に占める消費税の負担率が高くなることがわかっています。また、大企業と下請け企業との関係では、顧客に税を転嫁できないという中小零細企業の苦しみがある一方、高額の「輸出戻し税」を得る大企業にとっては消費税は高ければ高いほどよいという不公平も。消費税の大増税の前にやることがあるはずです。

「原発を続けるのか、やめるのか」
私たち主権者が決めよう…という署名を集めています

 東京電力の保有する原発をこれからどうするのかを住民投票で決めよう、という署名運動が始まりました。ぜひご協力をお願いします。

「直接請求を成功させる会」(電話03-3200-9115)
また、松尾ゆりまでご連絡くだされば、ご署名いただくことができます。