松尾ゆり

わくわくレポート151号 2013年1月

 新年を迎え、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
 昨年末の総選挙・都知事選の結果にがっかりした方も多いのではないでしょうか。
 総選挙の結果は、自民党の圧勝、自公で衆院の3分の2以上、という結果です。ただし「自民党の支持は減っている」という数字も出ており、決して積極的に支持されたわけではありません。(注)

 民主党の惨敗で「2大政党による政権交代」という政治モデルは崩壊しました。他方、新党の乱立は選挙対策にすぎないことを見抜かれ、有権者の支持を多くは得られませんでした。民主党への批判票の一部は維新、みんなの党にも流れましたが、投票率は史上最低の59.32%、前回に比べて10ポイントも下がり棄権・無効票(白紙等)の人が増えました。

 「杉並わくわく会議」でも「入れたい候補者、政党がない。国会議員は皆、自分の議席のことしか考えていない」と憤りの声が出ました。「国防軍」「憲法改正」を前面にかかげる自民党安倍政権の再来で、日本の行く末が案じられます。これから大変な政治状況が待ち受けています。杉並わくわく会議と松尾ゆりは、地域の皆様とともに政治を変えるための活動を、今年いっそう強めてまいります。

(注)自民党は小選挙区の議席の79%を獲得したが、得票率は43%にすぎない。(4割の得票で8割の議席を獲得)東京では37.7%の得票率で25小選挙区のうち21の議席を獲得した。前回総選挙との比較では得票率は微増だが、得票数では比例区で200万票余、小選挙区で160万票余減らしている。

杉並の介護・福祉サービスはどうなってるの?

杉並区の「保健福祉計画」はこのほど新しい計画「案」が公表されて意見募集が行われました。以下は計画の問題点の一部です。

(1)区独自の介護サービスが少ない

介護保険制度が改正されるたびに、ヘルパーなどの利用が制限されていきます。区は保険で足りない分のサービスを上乗せすべきです。

(2)配食サービス

かつて「杉並方式」といわれた配食サービスが削減され、民間のお弁当屋さんにひとり暮らしの方の「見守り」までがまかされます。民間丸投げではなく区が責任をもって実施してほしい。

(3)心のバリアフリー

学校でのインクルーシブ教育(障害のある子もない子も共に学ぶ)や啓発活動が大事ですが、計画には入っていません。また、区役所自体も障害をもつ方への偏見がないか見直しを。

(4)作業所の工賃アップ

障害者の作業所に事業拡大や企業努力を求めていますが、現場の努力は限界です。区などの公的な助成で経営を安定させる必要があります

杉並区の介護・福祉サービスはいろいろありますが、活用できるサービスが意外に知られていません。困った時は、松尾ゆりまでご相談ください。

消費税アンケート ありがとうございました

 昨夏、杉並わくわく会議・松尾ゆりは、消費税についてのアンケートを皆さんにお願いしました。ご協力ありがとうございました。一部をご紹介します。 特徴は「消費増税は反対」という方が圧倒的に多いことです。「消費税は社会保障のため」という理屈も多くの方は信用していません。マスコミの調査とは違います。対面してお話をうかがった方が多いので、ホンネが聞けたと思っています。

<集計結果>

(無回答や複数回答があるので、総数は一致しません。文章は短くまとめました。)

1 消費税増税に賛成?反対?

賛成(2) 反対(26) わからない(5)

2 その理由は何ですか?(抜粋)

○生活必需品に課税されると貧困層はもちろん、中流層の生活も圧迫され、ますます経済が落ち込む。
○増税は税全体を見て行うべき。消費税を増税して法人税を減税しては意味がない。

3 下の意見について、どう思われますか?

【1】社会保障費が不足するので、増税が必要

そう思う(6) 思わない(16) わからない(1)
その他(消費税以外の増税(1) 本当に国のお金が足りないなら必要(7))

【2】財政がひっぱくしているので、増税が必要

そう思う(7) 思わない(17) わからない(1)
その他(消費税以外の増税(1) 本当に国のお金が足りないなら必要(4))

【3】公共事業をふやし景気をよくするため増税が必要

そう思う(1) 思わない(25) わからない(4)

【4】誰もが払うので、他の税よりも公平

そう思う(6) 思わない(21) わからない(2)

【5】低所得者ほど負担が大きく不公平

そう思う(24) 思わない(5) わからない(1)

<自由意見>(抜粋)

○食品など、生きるために最低限必 要なものには課税すべきでない。
○納得いかない政策をする役人や政治家の給料のために税金払っているかと思うと腹が立つ!
○日本の税制は、大企業の法人税減税や輸出還付金などどうみても企業優先・資産家優先としか考えられない。

<商店街の声>(聞き取り)

「消費税引き上げ困る!」

○今でも苦しい。消費税は分割で払っている。今の倍になったら払えない。
○銀行から借金して消費税を払っている。
○消費税分は持ち出しになっている。

「売り上げへの影響」

○仕入れが上がるから利幅はますます少なくなる。

「価格転嫁する/できない」

○今回は値上げする。もう30年も上げていないから。でも、上げたらお客さんが減るかも…。
○単価が安いので価格への転嫁はむずかしい。
○今まで転嫁していないが、今度は転嫁する。
○ゼネコンの下請けで、消費税はコミという仕事が多い。上がったらそれだけうちの負担になる。

松尾ゆり

アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)

 杉並区女性団体連合会の研修会で「女たちの戦争と平和資料館」を見学しました。従軍慰安婦問題など女性への暴力を中心に戦争と向き合った小さな博物館です。沖縄で米兵による暴行事件が起きた直後の見学。私たち本土の者が報道で知る米兵の事件は、氷山の一角に過ぎないことを思い知らされました。

保革を超えてオール沖縄で基地撤去へ

 翁長雄志・那覇市長は朝日新聞(11/24付)のインタビューに対し「経済援助なんかいらない。そのかわり基地は返して下さい」「つぎはぎだらけの防衛政策をぼくらが命をかけて守る必要はない」と語り、自民党県連元幹事長がここまで、と注目を集めました。

 この前日、私は沖縄県議・玉城義和さんの講演をききました。県議会が超党派で上げた決議には「全基地の撤去」が書き込まれた、オール沖縄で基地問題解決に当たる、との決意を示されました。本土の私たちはどう応えるのでしょうか。

杉並中継所

 「杉並病」の原因となった中継所が廃止されてもうすぐ4年、見学の機会を得ました。内部に入ると、ごみを投入するホッパーや圧縮機などがそのまま残されていました。内部も周辺も空気はきれいになっており、また、周囲の植物も以前と違いきれいに生え揃っていたのが印象的でした。

 しかし、健康被害を受けた方々のからだは容易に元に戻りません。また各地で続くプラスチック公害の解決のためにも、杉並病を記憶し、記録し続けることは重要です。

日中国交回復40周年

 日中友好会館で都民集会が開かれました。元外交官の孫崎享さんは、尖閣問題が米戦略に利用されている現状を説明、また、沖縄県元副知事の吉元政矩さんは「尖閣は沖縄、台湾、中国の隣近所の人が生活する海。争うのではなく、沖縄に解決を任せてくれ」と述べました。さらに各界から多数の発言がありました。日中関係が最悪といわれるこの状況だからこそ草の根からの友好を築いていくことが大切だと思いました。