松尾ゆり

わくわくレポート 168号 荻窪編 (1) 2015年3月

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「あんさんぶる荻窪」と荻窪税務署の
「財産交換」は中止を!

 「あんさんぶる荻窪」と荻窪税務署の交換は2013年11月に突然発表されました。区民はもちろん区職員や区議会にも相談なく、区長と一部の区幹部だけで決めたのです。

 荻窪の地元町会からの再三の要望にもかかわらず、いまだに地元説明会は開かれないまま放置されています。多くの区民が知らないままに進めていくのは公正なやりかたではありません。私は交換の計画を中止すべきと考えます。

築10年の「あんさんぶる荻窪」を廃止し、なぜ?
新庁舎建設は税金のむだ遣い

 2004年にオープンしてから10年、「あんさんぶる荻窪」はまだ新しく、これから数十年の使用に耐えます。駅前にあることも利用者にとっては便利です。それなのに区は「あんさんぶる」を国に譲り、そのかわりに、駅から離れた税務署跡地に新たな庁舎を建てようとしています。

 「あんさんぶる」をそのまま使えばよいのに、あえて庁舎をわざわざ新築することは、ゼネコンの利益にはなっても区民にとっては税金のむだ遣いです。「あんさんぶる」は、荻窪駅から徒歩3分と、杉並区では貴重なJR駅前の公共施設です。毎日多くの方が利用する地域の交流拠点として、また福祉の拠点として、手放してはならない財産です。

特養建設に「財産交換」は必要なし

 区は「交換は特別養護老人ホーム建設のため」と説明していますが、税務署に隣接する公務員住宅跡地を購入または借りれば特養を建設する面積は十分です(図参照)。「あんさんぶる」を税務署と交換する必要性は全くありません。

まだ間に合う 交換を議論する区議会はこれから

 財務省と杉並区のかわした「覚書」では「平成30年(2018年)を目途に交換」とされています。交換の契約を行うには区議会での議決が必要であり、区の計画では来年3月の区議会に議案を提出するとのことです。交換を行うかどうかは、私たち区民の意思次第です。

??「あんさんぶる荻窪交換」と荻窪再開発??

 「あんさんぶる荻窪」の前を通るバス通り(補助131号線)は現在一方通行ですが、税務署に転換した後、相互通行に変更される可能性があります。住民にとっては狭く危険な道路となってしまいます。

 また、荻窪まちづくり会議の席上、荻窪駅西口を再開発し、JRの線路上に人工地盤を建設、線路をまたいで北口の白山通りから南口のすずらん通りへつなげるという大規模な開発案も出ています。

 区長の選挙公約は「荻窪再開発」です。「あんさんぶる」交換もその一環と考えられます。しかし、開発で大きなビルが建っても、儲かるのは少数の地主さんとゼネコンだけです。大型店が誘致されて地元商店街は壊滅の危機に瀕し、住環境や交通環境も悪化します。大型再開発ではなく、おちついた住宅地のよさをこれからも守っていってほしいと思います。

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