松尾ゆり
わくわくの日々

文教委員会
高円寺中・杉四小・杉八小の一貫校計画について

●2015-12-04

 11月30日に開かれた杉並区議会文教委員会では、科学館の廃止、区立6図書館の指定管理、および高円寺地域小中一貫校(高円寺中、杉四小、杉八小統合)反対の陳情などが審議されました。私は科学館の廃止、図書館の指定管理などに反対、陳情は採択すべきとの意見を述べました。関連する質疑とともに掲載します。

高円寺地域小中一貫校計画の廃止を求める陳情

(松尾)
  杉八小はたしか単学級ということで再編の対象になったはずだが、杉四小より杉八小のほうが未就学の子どもが多いということで、今後、希望制が廃止されたことにより、そもそもの杉八の子どもが増えていき単学級でなくなるということがあるのか。

(学務課長)
  現時点では単学級がすぐに解消するとは考えていない。

(松尾)
  杉八小を統合していくこと自体がゆらいでくるのかと思う。設計について、陳情者も狭いとおっしゃっていたが、すでに小中一貫で出発した和泉学園と比べて敷地面積、校庭面積は。

(学校整備課長)
  敷地面積は、和泉学園が17800平方メートル余、高円寺中学は11284平方メートル。高円寺の校庭は現在の設計では4000平方メートルくらい。和泉学園の校庭の有効面積は約5300平方メートル。

(松尾)
  高円寺中はもともと狭いという印象の学校だが、それが3校統合でさらに校庭が狭くなるとうかがっているが、無理がある感じがする。たしか、懇談会の中でも一定の時期までは杉四小の校地も活用していくという議論があったように思うが、現在の案は高中の校地の中ですべてを完結する案。どうしてそういう考え方になったのか。小学校の校地もあるので、第二運動場として活用するなど考えられたのではないかと思うが。

(学校整備課長)
  懇談会を開いていくなかで、杉四小は子どもたちのために活用できないかという意見があった。しかし、新しい学校は高円寺中の中で完結するという考え方。

(松尾)
  もともとがそんなに広くない学校なので、そこに3校の機能を盛り込んでいくのは無理がある。環七を挟んでいるという問題があるが、距離的には近いので、杉四の活用は、統合を前提にすればだが、考えていく必要があるのではないか。  陳情者の資料の中で、トラックがいっぱいいっぱいで、運動会のときに親や子どもたちの席がとれないんじゃないかという心配が書かれているが、どう考えるか。

(済美教育センター指導主事)
  運動会だけでなく、各行事には狙いがある。小中いっしょに取り組んだほうが効果があると考えれば学校がとりくみ、そうでなければ、無理はしない。小中一貫教育は小中がいっしょに行事をすればいいというわけではない。分けた方が効果が高いという場合は、別に行動する。ただし、ある学年、たとえば高学年が中学のほうに参加する。中学生が小学校の運動会に参加するという工夫はされていくと考える。

(松尾)
  お聞きしているのは面積のこと。校庭が狭くなるという中で、拝見した図面ではトラックがいっぱいいっぱいに引かれている。これで運動会をやると観覧席はどこになるのか、という素朴な疑問。地域の方もおっしゃっていた。

(学校整備課長)
 設計図の案にトラックが書いてある。150mで書いてあるが、学校の校長先生、体育の教員のお話も聞いてこういった形でいいんじゃないかという話があった。それから、運動会のときに保護者の皆様がどうかということは学校のほうで考えて進めていただきたい。

(松尾)
  校舎についてうかがう。和泉学園の場合は、小中の校舎が別だが、この高円寺の場合はいっしょ。小中の動線の分離をどうするかという話で、小中の昇降口が隣り合っているが、そこでごちゃまぜになったりしないのか。

(学校整備課長)
 昇降口は分けてある。そこから分かれてそれぞれの教室へいく。

(松尾)
  隣り合った昇降口で、昇降口は別々だが、中に入るとホールでいっしょになる設計になっている。そこで小学生と中学生が混ざってしまうのでは。それから子どもたちは階段利用で上に上がると思うが、階段は別々の階段を使うことになっているのか。

(学校整備課長)
  それは実施設計の段階で決めていく。小学校の教員、中学校の教員に細かく話をききながら進めていく。設計思想としては、小学校と中学校が分かれたほうがいい部分はわかれる、交流したほうがいい部分は交流すると考えている。

(松尾)
  6階建てという提案で、上下動が大きいと思う。小学校低学年は2階に配置されている。プールは6階。その場合は、2階から6階まで徒歩で上がるんですね。

(学校整備課長)
  そのとおりです。

(松尾)
  その途中に中学校の階があるが、そこで小中が混ざったりしないか。逆に中学生が移動する場合にも低層階を利用するケースもあるかと思われる。

(学校整備課長)
  実施設計を進めていくなかで、一番安全な設計を進めていく。

(松尾)
  現在提案されているのは南側校舎、北側校庭となっている。校庭の日影が長いのではないか。

(学校整備課長)
  校舎が北側となると北側斜線の影響でグラウンド面積がさらに狭くなってしまうため、南側に配置し、なるべく広い校庭を確保した。

(松尾)
  北側の住宅への影響であまり高いものが建てられないということは理解する。だとすると、これだけのボリュームのものをこの敷地の中にいれるのが無理がある。統合校の中に学童クラブの部屋が設置されるが、高円寺北児童館、杉八小の児童館にも関係してくるのかと思うが。

(子どもの居場所づくり担当副参事)
 高円寺北学童、高円寺中央学童を学校内に入れる。

(松尾)
  児童館のほうはどういう形になるのか。

(子どもの居場所づくり担当副参事)
 今後、施設再編整備計画の次の再編にむけて考えていく。

(松尾)
  もうひとつ、高円寺北子ども園があると思うが、杉四小が統合校になってしまったあとも幼稚園は残っていくのか。

(学校整備課長)
  当該子ども園については、杉四小にのこる。

(松尾)
  いまは杉四小があるのでその中に複合で子供園があるが、そこが空っぽになって子ども園だけが残る形になるのか、なんらかの複合施設、あるいは子供園の移転を考えているのか。

(学校整備担当部長)
  子供園も、残置施設をどうするかも今後の検討。

◎◎陳情の採択を主張します◎◎

 質疑の中で、ひとつは施設の問題についていろいろとお尋ねしました。3校の統合ですけれども、高円寺中の敷地に3校の施設、児童生徒が一括して集合するという計画になっています。いろいろとご説明いただきましたが納得いくものではないと感じました。子どもたちの運動のスペース、あるいは小中学生の動線の分離などまだまだ大変課題の大きい計画であると思います。子どもの利益が第一にというふうにどうもなっていないと思われます。

 それに関連して第二に、これをどうしても3校を統合して小中一貫の学校にしなくてはならないという意義が認められないということです。施設的な面もそうですけれども、教育的な効果も、まだまだ小中一貫校は検証が不足していると思いますし、メリットもあるかとは思いますが、デメリットも部分も逆にあるかと思われます。中でも小学校の5、6年生、高学年の責任感や成長感はどうなのかというお話はこの委員会の中でも出てまいりましたけれども、そういった点からも危惧もございます。また、統廃合の根拠となっている、そもそも杉八小が単学級であるというところから始まったということでしたけれども、その点についても、今後の希望制の廃止という中では動向が変わってくる可能性もあることも勘案しますと拙速に進めない方がよいと考えます。

 第三に地域の方たちの意見が十分には聞かれていないように思います。今回署名が1000あまり出され、前期までにも署名は何度も提出されているとのことでした。また、陳情者のご説明ではパブリックコメントが70くらい出されまして、多くの方が反対、あるいは疑問があるというご意見だったこと。また、説明会でも参加された方の多くが疑問や反対の声を示されたということがありました。同じく陳情者のご発言の中で、地域の近隣の人も最近までこの計画を知らなかったなど、周知も不足しているのかなと。学校の関係者などにはたびたびお話をされていると思うが、近隣に対してはまだまだ周知も不足しているように思われ、改めて、重ねて拙速に進めないほうがよいと思いまして、私は陳情者の主張に共感するところから採択を主張いたします。

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