松尾ゆり
わくわくの日々

久我山東原公園の陳情について

●2016-06-07

 2016年6月6日の保健福祉委員会にて「久我山東原公園を残してほしい」というみなさんからの陳情を審査しました。私は採択を主張しましたが、賛成少数(私と共産党・山田委員、自民・無所属クラブ・小林副委員長の3名)で不採択となりました。とりいそぎ、委員会でのべた意見を掲載します。

陳情に関する賛成意見

 28陳情第10号、11号「久我山東原公園への保育施設建設」の見直しに関する(を求める)陳情について意見を述べます。

【保育園と公園の対立ではない】

 質疑の中で申しましたが、今回の問題は、保育園か公園かという二者択一ではないということです。今回陳情者のお話もうかがいましたが、陳情者の皆さんは、保育園は建ててほしいとおっしゃっています。保育園を増やしてほしいというのは、保育園に子どもを預けている、いないにかかわらず、みなさんの願いだと思います。

【区の進め方に無理がある】

 問題は、区の進め方にあるということをご指摘させていただきました。認可保育園は何年も前から1000人単位で不足しております。それなのに保育園の計画的な増設をせずに認可保育園の慢性的な不足を招いてきた区政の失策だと思います。
 にもかかわらず、今年四月に突然区長が2000名の保育定員の整備を来春までにやる、その半分ほどは実質9か月でやらざるをえない。こういうやり方は非常に無理があるやりかただと思います。認可保育園の整備はきわめて重要な問題ではありますけれども、思い付きでできるようなことではないと思います。

【他の自治体では計画的】

 他の自治体でこのようなやりかたをとっているところがあるのだろうかと思い、最近待機児童の発表をした自治体何か所か、私も電話をかけて調べてみましたが、どこも昨年度末に今年度予算としてきちんと定めたものを実施していく、それからまた長期計画の中で今年度はこれだけやっていくというやりかたを、あたりまえですけれどもとっておられることもわかりました。
 杉並区のやりかたが大変無理があって、そのことが、住民のみなさんに大変大きな精神的、また肉体的にも負担をかけている。もうすでにかけているということについて区はきちんと認識していただきたい。そのうえで、これからも住民のみなさんとの話し合いを続けていただきたいと思います。

【これまでは地域と話し合ってきたのに】

 質疑の中では、これまでに杉並区が建ててきた認可保育園について、きちんと地域のみなさんと話し合いをして問題解決をしたうえで開設に結びつけて例がある、というかそれが普通だったということも確認してまいりました。

【公園の廃止は悪しき前例に】

 また、公園の廃止についてのいろいろな条件等も確認をしましたけれども、やはり私は、いま、杉並区がこの計画を実施してしまうならば、悪しき前例を、禍根を残すことになると考え、杉並区の考え方をもう一度見直していただくように求めたいと思います。

【ほかに使える区施設がある】

 国家戦略特区の公園利用はじめ、ほかにも保育施設として使えるところがあるんじゃないかという指摘もさせていただきました。こうしたことも含めて柔軟に考えていただいて、保育施設整備は待ったなしというのは私も同じ気持ちです。しかし、区民に負担をかけない形で、まして、みなさんが大切にしている公園をなくしてしまようなことのないように、ぜひ考え直していい方向に向けていただきたいと思います。

【住民の意思を尊重し話し合いの継続を】

 先ほど申しましたように、これまで杉並区はとても丁寧にやってきてくださったと思うんですよ。今回の件についても、やはり住民の意思を尊重し、これからも話し合いを続けていただきたいと思います。先日の区長と久我山のみなさんとの会見において代替案が出され、代替案について話し合いがあったということもききました。しかし、今回の陳情書のみなさんは、その話し合いもまだ平行線で、なかなか住民の気持ちをご理解いただけないという趣旨のことをおっしゃっていました。ですので、これで終わりにしないで、区長も、副区長も幹部のみなさんも含めて、ぜひ住民のみなさんととことん話し合いを続けていただきたいと思います。
 先ほど見切り発車で進めないでくださいねということで質疑をしまして、ご答弁がもうひとつ心もとないので、大変心配をしております。
 しかし、私は杉並区の職員のみなさんの良心に訴えたいと思います。
 地域のみなさんの納得のいく形での進め方をぜひ選んでいただきたいと思います。
 今回、久我山のみなさん、それから下井草の私の地元の人たちもそうですけれども、本当に急な区の提案、それも「決定した」ということで伝えられたにもかかわらず、わずかな時間で署名運動をなさり、いろんな活動を各方面に、マスコミも含めて訴えるというほんとに素晴らしい活動をなさったと思います。私は、これは杉並の良き伝統である自治の体現であると考えて誇りに思うべきだと思います。区役所もそのように認識していただきたいと思います。
 ですので、今回の陳情につきましては、区議会がこれを採択して区民に対する責任を果たすべきと考えますので、採択を主張します。

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