松尾ゆり
わくわくの日々

真実は消せない

●2016-10-04

(2016年10月3日杉並区議会決算特別委員会1ブロックの質疑)

 決算委員会初日(9月30日)に他の委員から「本会議で指摘のあった問題について事実を確認する」として私の一般質問(「杉並区政における民主主義について」)についての反論が行われました。質問の前にまずそのことを述べました。

 質問の内容は、(1)高円寺小中一貫校の工事に関連して住民をないがしろにしないように。(2)保育園事業者のプロポーザル選定委員会の透明性について。(3)あんさんぶる荻窪の財産交換に関連して要望書取り下げについて。

 (2)は地味な話ですけど、大事なことだと思っています。「委員の名前は公表できない」(保健福祉委員会での答弁)から「開示可能」に進歩。(以下は質疑要旨)

★ 真実は消せない

(松尾)冒頭質問の前に、金曜日、他の委員の質疑に対して、本会議で私が指摘した区職員の問題のある行為についていろいろと否定的な答弁があった。高円寺の問題に限らず、すべて住民が目撃、あるいは体験したことであり、いろいろ言いつくろっていたが、真実は消せないということを指摘しておく。

★ 高円寺小中一貫校について

(松尾)高円寺小中一貫校の建設工事は、いまどういう段階か。

(和久井学校整備課長)実施設計に伴いボーリング調査を夏の時期に行った。今後解体、本体工事と入っていくわけだが、事前準備の工事として、生徒たちの昇降口のつけかえをさせていただこうとしている。今現在は、近隣の方の反対にあって工事は止まっている。

(松尾)近隣住民との話し合いを継続的になさっていると思う。9月15日の話し合いはどうだったか。工事については。

(和久井学校整備課長)15日の夕方4時から10時半ごろまで6時間半に及ぶ話し合い。その際、明日(16日)から準備工事を始めさせていただくということで説明した。その前にも準備工事に対する案内を近隣に配っている。

(松尾)工事に関しては、近隣住民から、納得していない状態で着手するのはやめてほしいという声があり、区役所側からは、工事はやらせてもらうということで、平行線で終わったと聞いている。翌日工事はどのようになったか。

(和久井学校整備課長)準備工事は昇降口の関係、生徒の安全を確保しなければならないので、そうした中でご説明申し上げた。16日当日については、我々は朝8時半以降、工事事業者とともに、車両といっしょに学校に入る予定だったが、近隣住民の反対にあって、工事車両が入れない状況であった。

(松尾)次回の話し合いを10月18日に予定されていると聞いているが、同じように話し合いが平行線をたどり、工事が着手されるということになるのではないかと、住民は大変心配している。話し合いと工事の関係はどのように考えるか。

(和久井学校整備課長)近隣住民には丁寧な説明を行い、なんとかこの工事についてはやらせてほしいとお願いしている。ご理解いただけるよう努力をしていきたい。

(松尾)住民の方はむげに反対しているわけではないので、納得するまで話し合いを続けていただいたのちに着手してほしい。

(和久井学校整備課長)これからも近隣住民とは誠心誠意話し合いをしていく。理解いただけるよう努力していく。

★ 保育園事業者の選定、見切り発車に抗議

(松尾)先ごろ保育園の運営事業者の選定結果が発表になった。私は6月6日の保健福祉委員会で「住民が合意するまで見切り発車はやめていただきたい」と強く言ったが、その直後の夕方から募集を始めたことは大変遺憾だということを保健福祉委員会で抗議したところ。

★ 事業者選定の透明性

(松尾)あらためて、選定委員会の設置根拠は。また、メンバー構成は。

(中村保育施設整備推進課長)杉並区プロポーザル選定委員会条例にもとづき委員会を設置している。また、メンバーについては、学識経験者3名、区職員2名の合計5名で選定している。

(松尾)一般的に、指定管理、委託のプロポーザルでは1回ごとに選定委員会が設置されるのではないかと思うがいかがか。

(中辻政策法務担当課長)条例第7条において「複数の指定管理者候補等の選定にかかる委員会の設置」という規定がある。1つの委員会の設置をもって複数の候補者を選定することができるとしているので、そういった取り扱いを行ったものと考えている。

(松尾)保育の場合はちょっと特殊だと思うが、一般的には一件ごとに選定委員会が、設置されて、結果が出たあと、選定した方の氏名が公表されていると思うが。

(中辻政策法務担当課長)非公開情報にあたらない以上、原則公開することになる。

(松尾)保育のほうは他のプロポーザルと違って数が多いということがあって、しくみがちょっと違うと思うが、どのように違うか。また、7月にこの選定委員会のメンバーは公表できないといわれた、その理由は。

(中村保育施設整備推進課長)保育の運営事業者の選定委員会は開催件数が多い。そういったことから、先ほど法務担当課長が答弁したように条例第7条を用いている。また、委員の非公開については、先の保健福祉委員会でも答弁したとおり、選定委員の方に、落ちた事業者から直接連絡がいくというような事情があって、公平公正な審議を確保することを目的に、非公開としている。

(松尾)ちょっと驚いたが、選定委員の名前が結果的にずっと公表されないというと、選定の公平性が担保できるのだろうか。極端にいえば、委員がいたのか、ということも証明できないわけで、その点について改善を課長にも求めているところだが、今後対応はどのようにするのか。

(中村保育施設整備推進課長)現在設置していた選定委員会については、昨年7月に設置してこの間一連の選定委員会を行った。待機児童緊急対策策定時に予定していた認可保育所の選定はすでに終了した。また、先月下旬、小規模保育についても選定を行い、ひとくぎりという状況。一連の選定委員会が終了したところから、選定委員会終了後においては、委員の氏名については、情報公開請求があれば、開示をするという取り扱いとして、選定委員会の透明性を確保したいと考えている。

(松尾)ということで、積極的に公表はしないけれども、開示の求めがあれば拒まないという取り扱いにしてくれるということを確認した。今後別の方が委員をなさると思うが、今度交代された委員はいつまでの任期となるか。

(中村保育施設整備推進課長)今月10月から選定委員会を設置する予定。選定委員会については、30年4月にむけての事業者選定と考えている。来年の夏ごろを終期と考えている。

(松尾)選択の公平性、保育の質を確保していくという点からも、選定委員にかかわる事務を今後きちんとルール化していくことを要望する。

★ 選考の際に現地視察を

(松尾)他の自治体に電話で問い合わせたところ、選考の際に現地視察、その事業者の既存園の現地視察を取り入れているところもある。また、保育、建築、財務などの専門家のほかに、区の保育士、栄養士の経験者などを任命して現場の目で選考を行っているところもあるが、こうしたことを取り入れてはいかがか。

(中村保育施設整備推進課長)事業者を選ぶ選定の精度を上げていくために、他自治体の例も今後調査、研究してまいりたい。

★ 桃二小早期建て替え要望書の取り下げ

(松尾)桃二小早期建て替えの要望書(注・あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の財産交換に伴うもの)が一昨年出された。ここに捺印した7人の町会長のうち、昨年2人が取り下げを表明している。先日3人目が取り下げを通知したが承知しているか。

(福原施設再編整備担当課長)当時町会長をされていた1名の方から取り下げしたい旨の通知をいただいている。

(松尾)この元町会長は実は私の高校の大先輩で、以前から面識のあった方だが、昨年3月25日、この方から電話があって、町会長の会議に区長が出席されて、あんさんぶるの問題で非常にもめた、自分としてはあんさんぶるの交換は考え直すべきと考えているという旨を電話いただいた。その思いをもって、時間はたったが、取り下げにされたということだと思う。あんさんぶる交換についての危惧の念が引き続き根強いことを区長、区役所のみなさんには自覚していただきたい。

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